報告 高橋信博


今シーズンの最終釣行、深夜の山形道はまるで貸し切り状態だ。途中、日光付近で思わぬアクシデント(2点減点・反則金7,000円)にみまわれたが、無事??森さんの待つ駐車場へとたどりついた。仙台の森さんとは酒席では度々お会いしていたのだが、一緒に釣りに行くのは初めてである。単独で、最低限の装備しか持たずに各地の険谷を釣り歩く野生派釣り師。ぜひ1度その遡行と釣りを拝見したいと思っていた。が、森さんは今回マイタケ狙いであまり釣りをする気がないらしい。マイタケは沢筋には出ないので、釣りとは基本的に両立しないのである。
車止めに到着。ピンヒール、もといピンソールを装着して、梵字本流に向かって下降開始。森さんは早くも踏み跡から外れ、あたりを付けたミズナラ目指して突撃して行く。
本流に降り立つとパラパラと雨が降り出してきた。少し下って今度は踏み跡をひ〜こら登り、その後しばらく快適なブナ平を行くと目的の小沢である。
テン場に着きタープを張り終えると同時に雨は土砂降りとなった。「タイミングよかったな〜。」「森さん今頃ズブ濡れだねぇ。」しばらくすると傘を差して森さん登場、マイタケのマの字もなかったそうだ。ラーメンをかっ込むと森さん再び出動。
いや〜マイタケ採りって大変だぁ〜、私にはマネできまっしぇん!
 
梵字本流でまずは腹ごしらえ                       冷えた体にキノコラーメン

予報では午前中に雨は上がるとのことだったので、ワインをチビチビ呑りながら待機するが、一向に止む気配はない。寒い・・・体が冷えてきた。着替えるか悩んでいると、森さんが再び登場。サブザックから取り出したのは小型のマイタケ、続いて大きなミヤマトンビマイタケがド〜ン!!「ワ〜ッ!すご〜い!」よしみさん、小峰さんから歓声が上がる。
トンビマイタケを食べたことのない私は、「んん〜?こんな固そうな木ぃみたいなヤツ旨いのかぁ??」と、この時はまだ半信半疑であった。この後ハマってしまうことになるとは知らずに・・・。
川はやがてドロ濁りとなり、ようやく釣りを諦め食事(宴会)の準備に取り掛かる。よしみさんが作ってくれたトビタケ(トンビマイタケ)のスープをいただく。「んま〜い!」思わず声が出る。このトビタケ、キノコの本なんか見てもあまり良いことは書いてなかったと記憶していたが、ここ山形や秋田ではかなり珍重されているらしい。森さん曰く、見た目が悪いので売り物にはならないが、人によってはマイタケより評価が高いとのこと。う〜ん納得!
疲れていたのか7時過ぎには全員就寝。雨は深夜まで降り続いた。

 
ミヤマトンビマイタケ 森さんの顔芸に注目!                初日は食って呑んでおしまい
翌朝、すっかり雨は止み、濁りもなくなっていた。今日はシーズン最後の釣りだ。留守番の小峰さんに見送られ、気合を入れて出発!
よしみさんと私はテンカラ、森さんはエサ釣りだ。しばらくはアタリが遠かったがそのうちポツポツと釣れだした。しかし型が小さい。
1尾、2尾と森さん、よしみさんにキープサイズが出始めるが、なぜか私にはリリースサイズばかり。ここで7月の光来出の記憶が蘇る。ピックアップした毛鉤に葉っぱがくっついていると思ったら自己最小記録のイワナだった。そういえば先週の大石川も、いや、今年はずっとチビッコが多かったような・・・。かつて小物ばかり釣る菊地副隊長に、「釣りキチ番兵」とネーミングしたこのオレが、今シーズンは「番兵くん」なのか・・・いかんいかん!なんとしても脱却しなければ!しかし他の2人もなかなか型が出ないようだ。もっとも森さんは川を見ずに上ばかり、ミズナラを見つけては山を駆け上がり、いつの間にか竿を出していて、気が付くとまた居なくなっている。なんともギルガメッシュ、いやエネルギッシュな人である。
やがて通称「朝日の黒ビンガ」入り口に到着。「ここからが本命だから!」森さんの言葉を信じて進むも状況は変わらず。結局3人で5尾をキープしたところでアミガサ滝に着いてしまった。シーズンも最終、ここまではかなり人が入っているようだ。左岸から滝を高巻き、降りたところで昼食の準備を始める。すると、すぐ上流で竿を出したよしみさんから「釣れたよ〜!」と声が上がる。やはりここからは魚影が濃そうだ。早々にラーメンをたいらげ、再びマイタケ探しに向かう森さんを見送って釣りを再開。今度はポンポンとイワナが飛び出す。釣っては放し、釣っては放しと午前中のうっぷんを晴らすべく釣りまくった。すべり台状の滝で時間切れ。いや〜最後の最後にいい釣りをさせていただきました。

 
トホホ・・・今回もこんなんばっか・・・                    真剣に釣るよしみさん

 
イワナと森さん                                  本日の大物賞?

 
アミガサ滝で気合いを入れ直すも・・・                  滑り台のような滝で記念撮影

夜の部ではトビタケづくしにイワナの刺身、巻き物、よしみさんの酢豚ならぬ酢イワナ(これは絶品!パクらせていただきます。)に舌鼓を打つ。今年の釣りの話、山の話で盛り上がり、来年はあそこに行きたい、ここに行こうとさらに盛り上がる。
あ〜今年も楽しかったなぁ・・・。

 
ブナハリタケをゲット! 茶色いのはツキヨタケ(毒)                       ミズコブのおひたし


 
これが「酢イワナ」だ!                           トビタケと高野豆腐の煮物


トビタケとブナハリのまぜご飯
                  
小峰さん、よしみさん、森さんありがとうございました。今シーズンご一緒していただいた皆さん、ありがとうございました。
また春に、元気な顔でお会いしましょう!(すぐまたキノコで会うけどね。)


今年も無事終わりました