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報告 高橋 信博
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渓美隊ハイキング部結成へ
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今まで、冬の間はとくに体力トレーニングをするでもなし、オフシーズンは宴会力のトレーニングだとうそぶき、只々呑んべえな生活をおくっていた。 |
昨年の春、恒例の魚野川釣行でのこと。例年の如くぶっつけ本番で、酒・ツマミ満載の80リッターザックを担ぎ、いつもの急登に差し掛かった。「あれ?おっかしいなぁ・・・」体が重い、息が切れる・・・登りきるまでに2回休憩してしまった。体調が悪かったのかな?とも思ったが、その後の釣行でも・・・足は大丈夫だが、以前より息が上がるのが早くなったようだ。ついに来たか、老眼に続いて今度は体力の衰えなのか・・・いやいやまだ43歳の青年(?)である。絶対にあと20年、いや25年はザック背負って源流へ行くのだ! |
禁漁後、そんなこともすっかり忘れ、いつもの怠惰な生活に戻ってしまっていた暮れのある日のこと。その日2箱目のタバコを吸いながら5杯目の焼酎をお替りし、8本目のヤキトリにかぶりつきながら、ふと思い付いた。「そうだ!ハイキング(足トレ)に行こう!」 |
幸い川越は秩父・奥多摩の山に行くには便利な立地だ。奥武蔵へはおおよそ1時間圏内である。早速秩父は横瀬町出身である荒船隊員に連絡をとる。結婚して体重が20キロも増え、忘年会で久しぶりに会った仲間に、「初めまして!」とか「誰?」などと言われていた荒ちゃんは、暮れは実家に帰るという。「30日に山歩き行かない?」荒ちゃんは切羽詰まったような声で即答した。「ぜ、ぜ、ぜひ行きましょう!」
「川越渓美隊ハイキング部」の誕生である。 |
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武甲山へ
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朝8時、芦ヶ久保の道の駅にて荒ちゃんと待ち合わせ。コンビニで弁当を買って武甲山の登山口である生川(うぶかわ)方面へ向かう。 一の鳥居に車を置いて、いよいよ出発だ。
舗装路をしばらく行くと生川の養魚場がある。ここでは秩父の原種イワナを採卵、繁殖して、すでに放流魚の入ってしまった本流域に放流しているという。私達も時々秩父に釣りに入っているが、荒川の源流である入川も滝川もかなり上流部まで養殖魚が放流されてしまっている。天然イワナの住処に養殖イワナを放流することは、何万年も続いてきた生態系を人の手で断ち切ってしまうことである。外来魚ブラックバスの放流となんら変わらない愚かな行為なのだ。元気に泳ぐ天然イワナの子孫達に別れを告げ、再び歩き始める。 |
群れ泳ぐ秩父イワナ
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コンクリートのダラダラ登りも飽きた頃、いよいよ山道へ。沢沿いの緩やかな道から杉林の急登へ、トタンに息がゼェゼェ、心臓はバクバク・・・。 体重20キロ増の荒ちゃんは早くも汗だくである。そんなヒッヒッフ〜なラマーズ・コンビを、我がヨメは若さにまかせてグングン引き離していく。時々振り返っては、「タバコ止めないからだよ〜。」などと言いながら余裕の表情である。「この杉林が悪いんだ!俺はブナの原生林でなきゃチカラが出ないタイプなんじゃ〜!」と叫びたかったが、惨めなのでやめておいた。 |
大杉の広場で一服(旨いんだなぁこれが♪)、再び展望ゼロの杉林をヨメに引っ張られ登って行く。最後は緩やかに山頂へと向かう「一般コース」と、一気に高度を上げる「階段コース」とに分かれる。足トレに来た我々はもちろん後者を選んだ。
丸太の急階段をヒーヒー言いながら登り詰め、武甲山に到着した。 |
ようやく舗装路ともおさらばだ あ〜、だるい・・・
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こんな登り余裕よ♪
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「階段コース」唯一の展望 ここから急な階段が続く
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御岳神社の先の展望台に行ってみたが、ガスっていて展望なし。記念写真を撮っているとハラハラと雪が舞ってきた。寒さにたまらず休憩小屋に逃げ込む。昼食のラーメンを作っていると、突然風が吹き、ヒョウが降ってきた。続いて雷鳴が・・・。
「なんじゃこりゃ〜っ!」などと言ってる間に今度は雪が本降りに。食べ終わる頃にはすっかり外は銀世界になっていた。
「さあ、帰るか!」 山歩き初心者であるヨメは、まだ下りに慣れておらず、積雪もありペースダウン。我々ラマーズ・コンビは下りのスペシャリストと化し、登りのうっぷんを晴らすのであった。フッフッフッ、山歩きは下り、下りで決まるのだよ・・・。
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登りきったところ、あと少しだ 山頂にある御岳神社(ガスってます) |
変わり果てた荒ちゃん ビールやめて頑張ります! |
天気は突如大荒れに・・・ ピリ辛ラーメンで冷えた体を温める |
でもやっぱさっみ〜っ! 雪の降る中を出発! |
下山中、今度はピーカンに 「大杉の広場」の大杉 |
雪の粒でかっ!
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帰りは「武甲の湯」で汗を流す。なんと荒ちゃんがタダ券をくれた。さすがジモティー。
久しぶりの山歩きは楽しかった。数ヶ月分の毒が全て体から出た気がする。
来たる源流シーズンに向けて、禁漁期限定(?)ハイキング部は今日ここに誕生した。
次回はきっと完全復活! 急斜面をガシガシと登っているに違いない・・・と・・・思う。 |
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