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報告 菊地顕一
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ここで〜いっしょに〜、釣れたらいいと〜、
渡渉腰まで独り言〜
ゴルジュ〜高巻き、追い上げられて〜、
中越ひとり旅〜・・
〜『みちのくひとり旅』の節で〜
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というわけで、今回はメンバーとの日程が合わずひとり旅・・・。
当初の計画は奥秩父の原生林の中で2泊3日マッタリと過ごす予定であったが、あいにく秩父地方は3日間とも雨の予報。週間天気予報で晴れマークを探していると、下山予定日は降水確率が高いものの初日、2日目の天候が安定しているのは新潟県のみ。
以前訪れたことがあって、一人静かに沢に入るにはもってこいの新潟県中越地方の某沢に入ることにした。 |
林道終点の車止めまで行けばチョチョイと渓に下りて、そこから遡行できるのがこの川の良いところ。とてもラクチンなのだ・・・なんて思いながら車を走らせていると、デーンと雪が林道をふさぎ、終点約1km手前で通行不可。「こりゃ〜、川の上流は雪渓バンバンか〜?」と多少の不安を抱きつつ支度をし歩き始める。 |
車止めから渓に下りると、川の水はニゴリが入っていて多少増水しているようだ。さっそく竿を出し釣り始めると、すぐに7寸級が毛バリを咥える・・・すかさずリリース。するとすぐまたラインがスーっと止まり、アワセるとまたまた7寸級・・・、またまたリリース。
「んぎゃーっ、この渓はチビイワナしか居ないんかいっ!!」と怒りたくもなったが、ここは日帰り圏内、型も小さいのであろうからしてガマンすることにした。
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はい残雪ドーン!!ムリせず手前のスペースに車を置く
入渓点 ニゴリが入り多少増水しているようだ
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最初のゴルジュ帯に入ると滝が連続する。右岸、左岸と巻き滝上に出る。その後はしばらく河原状が続き、釣り上がるには気持ちのいい区間となる。久々にアタリがきた・・・釣れたのはさっきより気持ち大きめの8寸サイズ。これ以上リリースしてたら今晩のオカズがなくなってしまう。とりあえずキープしておこう。
そのあとも同じサイズを2匹追加し「おいおい〜、ガツンと尺上来いよー!」とふてくされながら岩の上でウイスキーをチビリと呑る。 |
そうこうしている間に第2ゴルジュ帯に着く。左岸の踏み跡で「ここ落ちたら死ぬなー」的な所をイッキに巻く。左岸から入る小沢の途中にテン場になりうる場所あるが、山の中なのでヤブ蚊も多く、どうも泊まる気になれない。今夜は河原でひとり、盛大に焚き火をしながら歌いまくりたいのだ。 |
「この先の河原にいいテン場があるかも?」なんて思い、右岸沿いの高台をトラバースしながら川を覗き込み探してみるものの、渓の水はえんえんと川幅いっぱいに流れている。時間も14時をとうに過ぎた・・・早く今宵の泊まり場を決めなくては・・・。 |
川に下りてテン場を探してみようと、灌木につかまりながらやっとのことで下り、前方に目を凝らすと・・・ドドーンといまにも崩れそうな雪渓があーるじゃありませんか!! はい終了〜・・・泣きたくなる・・・。
しょうがないので、先ほどの小沢脇の山の中を今宵のテン場とすることにする。トボトボと1時間をかけて、さっきの場所まで戻るのであった。
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第1ゴルジュ帯の入り口 河原状が続き、釣りやすい区間
ふてくされながら行動酒!?をチビリチビリ呑ってみる
モヒカン岩
第2ゴルジュの巻き 「ここ落ちたら死ぬなー」的なところ
こんなゴンゴンの流れの中にテン場なんてあるわけないよね?
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整地をし、おニューのタープを張って宿をこしらえているうちに気分もゴキゲンになってきた。薪を拾い、イワナを捌き、「ひとりパーリィー」の準備をする。
17時、ツマミも整いパーティーの始まりだ。 いつもは仲間達とワイワイやりながらの宴会であるが、じっと焚き火を見つめながら、ひとりひっそりと呑む酒もまた良い。ひとりでも呑みのペースは変わらず、初日のまだ19時というのに720ml持ってきた芋焼酎がもう半分なくなってしまっている。ヤバイ・・・明日もあるのに・・・。
19時30分、焚き火をイジリながら、かなりヘロヘロになっている。今日は佐藤くんはいない・・・寝ることにしよう・・・。 |
夜中、雨音で目を覚ます。結構な降りだ。 朝起きても雨はまだ降り続き、一日停滞と決め込んで、新田次郎の「孤高の人」を読みながら芋焼酎をチビリチビリ呑りはじめる。 |
遅めの朝食をとりながら呑んでいると、いつのまにか最後の酒が尽きてしまった。あぁ〜っ、今夜もあるというのに・・・。
辺りが急に明るくなり、陽が差し込んできた。「そうだ、明日は天気がくずれるって言ってたし、酒も無くなったから下山して、十日町で滝沢さんと一杯やろーかなー?」なんて、渓中2泊の計画は渓中1泊里1泊(飲み屋付き)の予定にあっさりと変更になった。
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ヤブの中のテン場 蚊がものすごい!
小沢の脇の小さな河原で「ひとりパーリィー」のスタート
今宵のツマミ ペンネアラビアータ、イワナの刺身、ウルイのおひたし ひとりであればツマミはこれで充分
佐藤くん直伝「カリカリベーコン」が出来上がるころにはもうかなりイイ気分に
翌朝、やることがないので、物思いにふけってみたり、アホなったりしてみる
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そうと決まれば話は早い。さっさと片付けて山を下りるだけだ。
最短距離の水線通しを試みるも、ゴルジュ帯はやはり水量ゴンゴンで断念。途中、高巻き道が見つからず、どんどん追い上げられ大高巻きとなり1時間を無駄にする。あ〜、しんど・・・。
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一晩お世話になったテン場に礼をして帰路につく
こんなとこ、とても水線通しでは行けまへん〜
ひとり遡行、ナニが沈してテンションサゲサゲ↓↓↓
無事林道まで到着しました〜
傍らにはニリンソウがお出迎え
晴れ渡った空、さぁ今夜は里で宴会だ
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無事下山し、温泉で汗を流す。 さぁ、サッパリしたし十日町に向けて出発だ〜!!
十日町に着くと、滝沢さんが「いらっしゃ〜い!」と笑顔で待っていてくれた。十日町(旧中里村)伝説の居酒屋『手前屋』さんで2人なのになぜか焼肉を7人前頼み、そして全部平らげ、呑みまくり、そのあとは滝沢さんと手前屋のマスター龍ちゃんと3人で、ヤングが集まることで有名なスナックでヘロヘロになるまで飲みまくるのであった・・・。そう、楽しすぎて、呑みすぎて、いつものように後半は記憶がないけどね・・・。
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単独には単独の味わいがあり病み付きになる・・・今回、ひとり旅の計画は急変したが、渓でも里でも酒に満ち溢れ、楽しい仲間とも一緒に過ごせてサイコーな3日間になった・・・。
隊長・・・、オレもいつか新潟の子になっちゃうよぉ。 |
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