報告 菊地顕一




みなさん、今年の夏休みは思うぞんぶん楽しんだかなー? 今回はワタシの夏休みの日記を綴ります。と〜っても長い日記なので読むのが大変な人は写真だけ見てねー!!

はじめに

ワタクシごとですが、ウチの会社も一応金融機関のはしくれで、今年度から『長期職場離脱制度』なるものが導入された。職場内交代で夏の時期を問わず強制的に、5日間連続して休暇を取らなければならなくなったのだ。
どうやら銀行や証券はこの期間内に業務不正等のチェックを行う制度のようだが、ワタシとしては「そんな長期間、気にせず仕事を休めるなんて願ったり叶ったり!!」と制度導入前から長期釣行の計画を立てていたのだが、渓美隊のメンバーがフツーの日に月曜日や火曜日から休める訳もなく、たとえメンバーの誰かが行けたとしても数日間は単独になってしまうことに思案をめぐらせていた。
単独、そして1週間近くの長期釣行となると、選択肢は『以前訪れたことがあって、あまり危険なところが無く、長期滞在しても飽きることの無い渓』に限られる。『ピーン!!』と来たのが上信国境魚野川。以前に何回か源頭まで詰めたことがあり、渓の美しさはピカイチ。
「黒沢のテン場に長期滞在して源流を満喫します!」と日程を含め信さん(隊長)に報告したところ、「その日程だったらオレも金曜日会社休んであとから追いかけるよ。」と嬉しいお言葉。
こうして、黒沢のテン場守計画『黒沢ケンイチの夏休み2009』が決まった。

1日目(8月4日火曜日 晴れ時々くもり)
単独行動日

待ちに待ったこの日がついにやって来た。
結局この日程中、黒沢のテン場には5日にまにちゃん(馬庭)がが単独でやって来ることになり、6日にはいつもお世話になっている小峰さんたちのパーティーが源頭を詰めるために1泊することが分かり、さらに7日には信さん、佐藤くん、おまちゃん(尾亦)の渓美隊の3人が駆けつけるという、まさに『黒沢大集合!!』と、考えるだけでも楽しい釣行となったのである。

今回は往路に公共交通機関を利用する。JR大宮駅から7:45発の『特急草津1号』に乗り込むためにホームで列車を待つ。平日の火曜日、通勤客でごった返す大宮駅はスーツ姿に鞄を持ったビジネスマンはいても、80リッターパンパンのデカザックを背負って歩いているアホは一人もいない・・・。かなり迷惑と見た!でも、いまのワタシにはそんなの関係ねぇ!そんなの関係ねぇ!
列車に乗り込み、さっそく駅構内で買った缶チューハイを「プッシュー!」と空け、朝飯用に買った駅弁を食べ始める。スーツ姿の乗客がゴキュゴキュと喉を鳴らしながら呑んでいるワタシを羨ましそうに見ている。
「んふーっん、いいでしょチミたちーっ・・・サイコーですよぉ〜!」と鼻を膨らませながらドップリと優越感に浸りまくったのであった。
熊谷、高崎を通過し、渋川も過ぎると乗客はまばらになり長野原草津駅で下車。ここからは10:05発のJRバスで野反湖を目指す。11:15野反湖着。乗客数名が下車し、駐車場には観光客らしき車が1台とアメリカンバイクが1台止まっているだけ。ふとバイクの方を見ると・・・「んっ?どっかで見たことあるカ・・・オ・・・カ、カチョー!!」
なんと職場の同じ課の課長が立っているではありませんか!「いや〜、菊ちゃんがここから釣りに行くって言ってたからさぁ、今日休みだしツーリングがてらに見送りにきちゃたよぉ。」
長期間の休みのため、何かあったらと思い日程は全て課長に伝えておいたのだが、まさか見送りに来てくれるなんて・・・いい上司の下で働いているなぁ・・・涙チョチョ切れものだぁ。

 
まい泉の「そぼろ弁当」735円也 コストパフォーマンス高                   長野原草津口よりJRバスで野反湖へ

 
野反湖が見えてきた                        駐車場脇のベンチで優しい課長と

課長の見送りのもと、駐車場奥にある『白砂山登山口』から渋沢ダムに向け出発。明瞭な登山道はいくつかの沢を横切り、アップダウンを繰り返しながら、ちょうど3時間で百二十曲りと呼ばれる急坂が始まる1748m地点の西大倉山頂上に着く。ここからはイッキに600mの下降だ。
下降しはじめた時、いきなり左の笹薮から「バーキバキバキバキーッ!!」と凄まじい勢いで笹をなぎ倒し、去っていく何者かの音が聞こえた。「クッ、クマだっ!」とビビリまくりのワタシは、それからずっと大声を出して歌いながら早足で下り続けた。
いいかげんツマ先が痛くなり、膝もカクカクしてきた頃、沢音が聞こえてきてホッとする。しかし、これからが長かった。下れど下れど入渓点はまだ見えず、朽ち果てた営林小屋の手前から樹林帯に入り、魚野川本流に下り立ったときにはヘロヘロになっていた。時計を見ると15時50分、1時間強の下りであった。
今日の泊まり場、千沢出合のテン場まで釣りをしながら行こうと思ったが、時間も時間だし、ザックの重さに肩が痛く、なんたって『早くショーチューが呑みたい♪』ので、ガンガン渡渉してテン場を目指す。



さあ、この一歩から夏休みが始まる!

 
すぐにハンノキ沢を渡る                               地蔵峠分岐


「左京横手」 眼下に野反湖が見える


入渓点から渋沢ダム方面を望む


入渓したら対岸にすぐ渡渉する


千沢出合 うー早くショーチュー呑みてぇー♪


タープを張り、薪を集め、さぁいよいよ初日の一人宴会のスタートだ!
明日のテン場移動もあるので今夜は手間をかけずパスタにレトルトソース。そして成城石井特製のハンバーグをツマミに呑もうと思っていたら、思いっきりパスタを忘れてしまった。寂しい限りである。仕方がないのでハンバーグにパスタソースをかけてツマミにしたら、マジイケル!!
酒は長期滞在を見越してたんまり持ってきた。缶チューハイ350cc×3本、37度の芋焼酎1升、ウイスキー43度500cc。5泊で一日あたり600cc強の計算だ。焼酎とウイスキーは割れば倍以上呑めるし!
が、しかし、いつも間にやら撃沈して、翌朝に焼酎の入ったポリタンクを持ってみるとなんか軽い・・・。「ん?・・・やべー、またやっちまったー!」
そう、缶チューハイは3本ともすでに空で、37度の芋焼酎は悲しきかな、あと半分しか残っていなかった・・・そして、この初日の行動が後々悪夢を呼ぶことになる・・・。



出合から50mの左岸台地にタープを張る


到着の無事を祝い、とりあえず『アワワワー!』とインディアンの踊りをやってみる


 ソロはクッカーもコンパクト                      パスタソースハンバーグにアスパラガスを添えて


缶チューハイ(8%ストロング)ランタンやっちゃいます!


んでもってお船漕いでまーす♪

2日目(8月5日水曜日 晴れ時々くもり)
まにちゃん合流日

5:00起床、今日は黒沢へテン場を上げる日だ。早々にタープを撤収し、メシを炊き。レトルト牛丼で朝食を済ませる。
7:30黒沢に向けて出発。本流へ入り桂カマチをヒザ下で通過し、桂ゼンを見送ると箱ブチ、不動コイデと通らずが連続。今日はまにちゃんと合流する日だが、単独なので慎重を期し巻き道で通過。井戸沢からは良いポイントだけ拾い釣りしながら遡行する。さすがに魚野川、腹が真っ黄色でキレイな居つきイワナが竿をギュンギュン絞ってくれる。イタドリ河原で左岸から入る十六沢を見送ると、程なくゴルyジュの中に右岸から高沢が流入。もうだいぶ前に信さんや小峰さんたちと清掃釣行に来た思い出の沢だ。「確かあの年は川越渓美隊の前身『南埼玉渓流会』が小峰さんの命名で発足し活動を始めたとしだったなぁ。」と、あの頃を懐かしく思う。
高沢を通過すると、すぐに大ゼンが現れる。左岸をヘツって巨木の手前を登って滝を越すが、ヘツるだいぶ手前に変なロープが2本垂れ下がっていて「おっかしいなぁ、側壁崩れたかなぁ?」と最初は迷ったが、水際にちゃーんとスタンスがあり難なく越えていく。


桂ゼン

 


箱ブチ


不動コイデ


井戸沢の先で今釣行初の一尾をかける


高沢出合(本流は右手)


大ゼン

滝を越してすぐ、きれいなナメ床を過ぎ、少し行った大きな淵を右岸側の岩をトラバースして越えると渓は河原状となる。再び釣り始め良型をかけたとき、ふと背後に人の視線を感じた。「まにちゃんかな?」と思って振り向いてみると、ヘルメットをかぶった3人組が立っていた。まさか水曜日から渓に入っている奴はあまりいないと思ってたので、めっちゃビックリした。
その中の1人と話してみると、昨日、野反湖から入り渋沢小屋前の広場に泊まって、今日は黒沢に泊まる予定だったのだが、途中、合流予定のまにちゃんに会ったらしく「昨日から〜、仲間が黒沢に行っててぇ〜、続々と仲間が集合するんだよぉ〜〜〜。」と聞いて、結局黒沢は諦め、高沢にテンバることにしたらしい。
後ろを気にしながら釣り進んでいると、後方からまにちゃんが手を振ってやってきた。めでたく合流し、「よく来たね〜!」と挨拶を交わす。黒沢まではもう目と鼻の先、とにかくまずはテン場確保をしなくては。渓が左、右に大きく曲がると前方に懐かしの『ナマリ岩』が見えた。
13:30黒沢テン場着。幸いテン場は貸し切り状態だ。そりゃそうだ、今日は水曜日だもん。
タープを設営し、試し釣りに黒沢に入る。オカズ分だけを確保してテン場に戻り、ゆっくり着替えて宴会の準備をする。今日は2人宴会だしワイワイ盛大にやるぞ!
薪に火をつけ、「カンパーイ!」・・・しかし、ものの10分もしないうちに雨がポツリポツリと降ってきた。次第に雨足が強くなりドシャ降りに変わる。しかたなく今宵はタープ宴会となった。



無事合流しナマリ岩のある黒沢出合のテン場へ


とりあえずタープを張ってねぐらを作りましょ!

 
晩飯のオカズ確保〜♪

 
まずはカンパーイ♪このあと雨が・・・                       刺身2種&豚肉焼き   


結局タープ宴会に・・・  イワナの唐揚げ作製中

 
イワナの唐揚げ キムチの素とタルタルソースをお好みで!

 
いんげんのゴマ和え                             もちピザ  

 
3日目(8月6日木曜日 くもり時々晴れ)
小峰さんパーティー合流日

3:30起床。なぜか目がバッチリ冴えてしまい、そのまま起きてしまう。雨は止んだようだが、薪が濡れているうえに柴がまったくなく焚き火が着かない。洗い物を済ませ朝食の準備をし、「明日は早出をして本流を釣ろうぜ!」と昨夜まにちゃんと言っていたので、少し早いがまにちゃんを叩き起こす。
結局いつもの如くのんびりしまい出発は6:30となってしまったが、黒沢出合を少し過ぎたあたりでイワナが走ったので釣り始める。すぐに右岸から、出合が砂礫で堆積した白水沢が流入する。それからは河原状あり、ゴーロ帯ありで好ポイントが続き、イワナもボチボチ釣れてまにちゃんと楽しいひと時を過ごす。そうこうしている内に、前方に川幅一杯に水が流れ落ちるカギトリゼンが見えた。滝つぼに毛鉤を流してみたがアタリはない。
この滝は平水ならは右岸の水の流れ際を登って越すのだが、今回は源頭まで詰める計画ではないので、引き返すことにする。時間はまだ9:00ちょっとすぎ、釣りを切り上げるにはあまりにも早い時間だ。いったんテン場まで戻り、黒沢を昨日切り上げたところから黒沢ノ滝まで釣ろうということになった。約1時間で戻り黒沢に入る。昨日と同じようにオカズ分を揃え、あとはリリースを繰り返しながら釣りを楽しむ。前方に淵が見え、渓が左に直角に曲がり飛沫をあげている。黒沢ノ滝だ!!
『黒沢ノ滝は平水ならば右側をヘツって滝の中部に取り付き登れる』とネットで見た記憶があった。何となく行けそうだったので行ってみたら最後の一歩でホールドがなく、セミになってしまう。行くことも戻ることもできない中で、ただひたすら水に打たれながら耐えるのみ・・・。5〜6mの滝だが落ちたら何かしらダメージを受けるだろう。自分ではとても長い時間に感じられたが2〜3分であっただろうか、足が疲れほんの少し下がったとき親指にホールドがかかり何とか引き返すことができた。
まにちゃんは後ろで見ていて「ヤバイ、もう落ちる!」と思ったらしい。単独だったら絶対にやらないが、ペアになったことで多少気持ちにスキができて油断してしまったのであろうか・・・。とにかくビビッた・・・大反省・・・。
その後、巻き道を見つけ滝上の二股右側(黒沢)を少し釣り上がり、魚影を確認後テン場に帰ることにした。


白水沢


カギトリゼン手前のヘツリ


渓を左に曲がると前方にカギトリゼンが見える


カギトリゼン


黒沢ノ滝


右壁から取り付くが・・・


次の一手が出ずにセミ状態 もはや終わりか・・・


黒沢ノ滝上の二股 右が黒沢、左が大ナゼ沢


差し込む光の中、キモチ良く釣り上がる


どうですか〜!!

黒沢のテン場に戻ると、小峰さん、よしみさん、辻村さん、元ちゃん(澤部さん)のパーティーが我々のタープの隣のボサを整地し、極上のテン場を作っていた。
「こんちは〜!ごぶさたしてまぁ〜す!」と久々に渓での再会を果たす。そうそう、辻村さんと元ちゃんは里では何回かお会いしているものの渓では初めてだ。お互い「よろしく〜!!」と挨拶を交わす。今日の宴会はにぎやかになりそうだ!
イワナを捌きツマミの用意をしていると、今日も雨が降ってきた。今夜こそは焚き火宴会ができると楽しみにしてたのに・・・。
「菊ちゃーん、こっちのタープで宴会始めようよー。」とよしみさんが呼んでくれ、酒とちょっとしたツマミ持参でお邪魔する。タープの下ではよしみさんがイワナを揚げていて、小峰さんが「顕一、まだ食ったことないんだろ?ほらっ!」と『イワナカツサンド』を差し出してくれた。揚げたてのイワナカツはサクサクホクホクして、ソースの味が染み込んで、レタスがしゃっきりしてて、そりゃーもうサイコーに旨かった。おかわりまでしちゃいました♪
その後はワイワイガヤガヤいろんなことを喋り、ほろ酔い気分になったところで解散。まにちゃんと自分たちのタープに戻り2次会を始める。いい加減眠くなりシュラフの中に潜り込んだ。
夜半、雨がタープを叩く音で何回か目が覚めてしまう。

4日目(8月7日金曜日 くもりのち雨)
渓美隊メンバー合流日

朝起きて川の様子を見てみると、濁りが入り30cmくらい増水している。雨は止んでいるが空は今にも泣き出しそうだ。源頭まで詰める予定の小峰さんたちはずっと様子を見ているが、今年の天候不順を鑑み、このまま黒沢で停滞し、明日切明へ下山することに決めたようだ。
それはそうと今日は渓美隊のメンバーが遡ってくる日だ。この悪条件の中、信さんと佐藤くんの二人だけなら多少のことがあっても黒沢まできてしまうと思うが、今回はおまちゃんも参加している。重い荷を背負って切明から黒沢まで程の距離を歩くのは今回が初めてのはずだ。しかも状況が悪い。大丈夫であろうか・・・。川の水が除々に引き始め、だいぶ澄んできた。今日は黒沢ノ滝上の大ナゼ沢を探釣する予定である。
10:30、まだ完全に水は引いていないが、辻村さんとまにちゃんと3人でテン場を出発する。30分ほど遡行して黒沢ノ滝。高巻いて二股の左の沢が大ナゼ沢だ。黒沢本流(右の沢)と比べ、やはり水量は少ない(2:1)。渓は樹林帯の中を出合から小気味良く高度を上げていく。ところどころ木が覆いかぶさり振りにくい所もあるが、テンカラでも竿を出せる。すぐに良型が出て皆テンションが上がる。オカズ分をキープしながら釣り上がっていくと、雨がポツポツ降り出し、次第に雨足が強くなる。
「黒沢は雨の気配を感じたらすぐに引き返せ!と聞いたことがあるから、すぐ戻ろう!」と皆に声をかける。13:30、テン場に戻ることにする。
ナマリ岩が見えるところまで戻るとワタシたちのタープの横に深緑のタープが連結されている。信さんたちだ!
「おー!おまちゃん良くきたねぇ!キツくなかった?」とワタシが聞くと、「もう疲れて足も上がらなくなって・・・ダメかと思いました。」とおまちゃん。渋沢ダムの入渓地点からいきなりのスクラム渡渉。桂カマチは腰近く。とにかく『ファイト一発!!』状態が延々と続き、ゴール地点がどこなのかも分からず、ただただ後をついていくのみで相当疲れたようだった。
テン場服に着替え、渓美隊メンバーの黒沢合流を祝って乾杯。雨は激しさを増している。「うんうん、おまちゃん良く来たよ!」と感慨深い面持ちでいると、「ヤッベー!」と言う声が外で聞こえ、ナマリ岩の横で佐藤くんがジャージを膝上まで捲り上げている。「どうしたの?」と傍まで行ってみると・・・イワナや食材を冷やしていた浅瀬が跡形もなく、チョコレート色の濁流がグルグルと渦巻いているでないか!
「ほんの15分前まではこんなんじゃなかったのに・・・酒を入れていた網だけ浮いて、濁流の中をグルグル回っていたから何とか救出したよぉ。」と佐藤くんが言った。
『油断しているとほんの一瞬で牙を剥く自然』を恐ろしく思う心と、「よくぞ酒を救出したよ!でかしたサトーくん!」と思う心のアンバランスさに思わず吹き出しそうになった。
雨足はいっそう激しくなり、どんどん水嵩が増えていく。16:00、とうとうナマリ岩からテン場側まで水が流れ込んできてしまった。こんなこと初めてだ。小峰さんたちのテン場の方が一段低いが大丈夫だろうか?見ると全員ザックにに荷物を詰め込み、避難準備をしている。ウチらのテン場まで水が来るにはまだまだだが、一応避難準備だ。
17:30、雨はまだ降っているが、濁流が引き始めた。おそらく上流ではすでに雨が止んだのだろう。しかし、これだけの大増水は初めて見た。ワタシも良い経験になったが、初めての本格的な源流行でこんなことを体験したおまちゃんにも良い経験になったと思う。
その夜は総勢9名の大宴会となり、いつも以上に盛り上がり、ワタシは撃沈し『渓のお座り即身仏』となった。
そして、まにちゃんと言えば、今釣行で結局1回も焚き火が出来ずに明日山を下りることになる・・・。

先発隊(けん・まに)画像


大ナゼ沢の渓相


イワナは居るが種沢のひとつだろう・・・しっかり残してあげたい


今釣行最大の34cm 最近なんか、まにちゃんが大物賞なんだよなぁ〜

後追い組(のぶ・サトー・おま)画像


渋沢ダムのバックウォーター満タン


初っ端からいきなり腰までの渡渉ですか!


おまちゃんスクラム渡渉は初の体験・・・でも楽しそう


十六沢にて休憩 この辺りからオジイチャン化してくる


水量が多く激流突破はムリ お助けロープで確保


高沢出合


ロープを出して一発ジャンプ!!


大ゼンを前に

 
黒沢合流を祝してみんなで乾杯


そしてこんな感じが・・・


ものの15分でこんな感じになり


ついにナマリ岩の裏まで水が流れ込んできてしまう


こうやって食材とか冷やしてたのに・・・


いきなりこんな濁流で跡形もなし、よくビールを救出したよ佐藤くん


そして翌朝の水量はこれ!! ほんとビックリだよ

 
水が引いてきてホッと安心


さあて、宴会の始まりだ!


元ちゃんがイワナのアラを揚げる いただいた命、無駄にはしません

 
おまちゃんが喰らう・・・そして落ちる・・・


元ちゃんもゴキゲン♪


そして落ちる・・・大いに素質アリ




真打登場『渓のお座り即身仏』  やはり後輩にもここまでのラベルになってもらわねば・・・


5日目(8月8日土曜日 くもり時々晴れ)

朝起きて空を見上げる。曇り空だがときおり太陽が顔をのぞかせている。
昨日の残りの冷や飯をササッとお茶漬けでやっつけて朝食を済ます。今日下山するまにちゃんと小峰さんパーティーから残った酒と食材をいただいた。酒はかなり少なくなっていたのでとてもありがたい。
釣りのほうは、おまちゃんとワタシが本流へ、信さんと佐藤くんが黒沢へ入ることになった。「釣りは今日が最終日だが3日間で充分楽しませてもらった。今日一日ビク持ちを買って出て、ここまで頑張って歩いてきたおまちゃんに良い思いをさせてあげなければ!!」と心に誓うワタシであった。
黒沢出合からすぐにイワナが走り始める。瀬尻や流芯脇のタルミを見ながら進んでいくと、居るわ居るわ多いときで5匹くらい定位している。
「おまちゃ〜ん、あそこに居るよー!」「はいっ!」と仕掛けを投げ込むと一発で竿先がキモチよく曲がっていく。完全に見釣り状態だ。良型を数尾釣り上げたおまちゃんが振り返ってひと言「やっぱ源流はスゴいっすね!!来た甲斐がありました!!」「そうでしょ、そうでしょ〜!!」とワタシ。とにかく新入隊員のおまちゃんが満足してくれてワタシも嬉しい。これで彼も渓にドップリと浸かっていくことだろう(笑)
それからは交互に竿を出し、充分に満足したところでカギトリゼンを迎え釣り終了。
やはりまだ平水には戻っていないようで一昨日来たときよりも水量は多く、滝は2割増しくらいに渓水を噴出していた。イワナラーメンで昼食をとりテン場に戻ることにする。
黒沢組はすでに切り上げていて、充分に楽しんだので早めに上がってきたそうだ。さぁ、テン場服に着替えて、最終日の宴の用意だ!!

本流組


快晴のなか釣り上がる 至福のひととき


いやー、源流は楽しいっすねぇー!


本流組、お昼のイワナラーメン

黒沢組


黒沢ノ滝 やはり増水で噴き出している

 




キモチ良く釣り上がる

今日は恒例の夕立ちもない。黒沢に入って初めて焚き火ができそうだ。
ツマミがひと通り揃い、乾杯を始めようとしたとき信さんがひと言、「最後の夜の宴会の酒は残りわずかだ。本日酒類は管理制をひく。おかわりの際は申告をし、みんなの賛同を得たらおかわりオッケーとする。酒類管理責任者は佐藤を任命する!!」
うはーっ、ワタシが毎回酔うほどにおかわりの焼酎をドバドバと注ぐもんだから、ついに厳戒態勢が引かれてしまったか!
そして、まずは日本酒で酔いを誘い、日本酒がなくなったらウイスキー、そして焼酎と、呑む順番まで決まってしまったのだ。

「すみませーん、おかわりいただいてよろしいでしょうかー?」菊地
「みなさん、けんちゃんがおかわりの申告です。よろしいですかー?」佐藤管理責任者
「ちょっとペースが早いけど、まぁ、いいでしょう。」一同
「ウイスキー入りまぁーす!!」佐藤管理責任者
「ありがとうございまぁ〜す。」菊地

でな具合に、酒が少なければ少ないなりに盛り上がり、「けんちゃん、こんな何日も黒沢に滞在している人も珍しいんじゃない?黒沢の主だぁ!『黒沢ケンイチ』に名前変えちゃえば?世界のクロサワだー!!」と信さんからありがたい名前を命名され、今釣行の題名が『黒沢ケンイチの夏休み』に決まる。
酒は少々物足りなかったがイワナはフルコースで大満足。そして、いつの間にか撃沈していた・・・。


さぁ、今宵は黒沢最後の宴だ! 準備に取り掛かろう!


おまちゃんはイワナ捌き、メシ炊きともにすぐにマスター  頼れる新人・・・オレの居場所なくなっちゃうよー(焦)



キレイなイワナ

最終日のツマミの数々・・・


『ハウス本とうふ』で現地仕込みの信麻婆豆腐(のぶまーぼーどうふ)〜陳麻婆豆腐にちなんで〜


叩きに叩いた『イワナのナメロウ』 大葉ははずせません!!


ゴーヤチャンプルー


大豆とひじきの煮物


イワナカツを揚げる


イワナ寿司を握る隊長 久々のショット


決して「おにぎり」にはなっていない隊長が握る寿司  口の中でシャリがホンワリとくずれる

酒のおかわり懇願の図


ねぇ、サトーくん、おかわりのショーチューちょうだい♪


だめ〜〜〜!!

『友蔵 落ちる』の巻


今宵も缶ビールランタンで幻想的なひとときを過ごしているとき・・・


さすがに疲れたのか、おまちゃん撃沈


そんな事では、まる子に嫌われても仕方のない友蔵であった・・・

6日目(8月9日日曜日 くもり時々雨)

翌朝、目が覚めてシュラフに潜り込んだまま半覚醒の頭でふと思う。
早いもので山に入ってからもう6日が経ってしまった。今日が最終日だ。いつもそうだが、過ぎてしまえばあっという間、下界!?へ帰りたくなくなる。たぶんいくら日程があったとしても、こんな風に思うことだろう。
朝食を済ませテン場をキレイにし下山する。切明まで6時間強の長い道のりだ。渓はまだいくぶん水量がある。おまちゃんも帰りは道のりが分かるためか足取りは軽い。渋沢ダムに着き、水平道を進む。馬ノ背を過ぎて急坂を下り、切明の車止めについた。
6日間、長いようであっという間だった『黒沢ケンイチ』の夏休みは終わった・・・。今シーズンも残りあとわずかだ。さぁて、次はどこへ行こう。


朝飯になんで竹輪の詰め物があるの? ツマミ系?


ナマリ岩をクラーイミーング♪


5日間過ごした黒沢ともお別れだ


おまちゃんも帰りはだいぶ余裕がでてきているようだ


一時は朽ち果てていた渋沢小屋  内部はだいぶ補修されていた

 
図鑑に出てきそうな模範的なタマゴタケゲット その後も次々とゲットする


そしてワタシの『黒沢ケンイチの夏休み』が終焉を迎える