報告 高橋 信博




今回は石川ちゃんプロデュース、「男体山プチ・カモシカ山行」である。
「カモシカ山行」とは、本来は1、2泊の行程を昼夜ぶっ通しで歩いて日帰りにしてしまう山行形態をいうらしい。夜寝ずにヘッドランプをつけて山を登る、山岳会などでは訓練的な意味合いで行われることが多いようだ。
我々はイワナ釣りをやるので夜中のヘッデン歩きは結構慣れているつもりだ。ただ林道歩きには慣れているが、今回のような登山道はあまり経験がない。おまちゃん(尾亦)などは釣り竿を持たない山登りは今日が初めてだそうだ。何事も経験、と1合目から頂上まで、全員でトップを交代しながら登って行くことにする。
手探り状態のわりにはテンポもよく、道を間違うこともなく、コースタイムよりだいぶ早く頂上についてしまった。まだ辺りは真っ暗。早く夜が明けないかな〜。ご来光、雲海、そして雲海の切れ間から見える中禅寺湖・・・ん〜ん、待ち遠しい♪



ヘッデン
つけて出発進行〜!


一寸先は闇・・・こ〜んな感じで登って行くのだ


今回もすっかりお世話になった石川ちゃん


そしていよいよ空が明るくなってきたーっ!と思ったら急激に空気が冷えてきた。
見る見るうちに辺りは霧氷で真っ白けに。指先が冷え、ちぎれそうに痛い!
「さぁびぃぃぃぃぃぃぃ!!」カッパに軍手なんて、10月とはいえ2,500m級の山の夜明けを完全にナメていた。ハンパじゃない冷え込みだ。こうなることを只1人予想していたであろう石川ちゃん。サクサクッとツエルトを広げ、「さあみんな中に入って!」
そして只1人極寒の外に残って魔法瓶のお湯でコーンスープを作ってくれたのだ。ツエルトに包まれてみんなで飲むコーンスープのあったかいこと・・・石川ちゃんカッコイイ!



男体山山頂にある神剣


放射冷却!? 冷え込みがパネ〜っす!


ツエルトの中は天国? ちょっと寝てしまいました


石川ちゃんの作ってくれたコーンスープ 身も心も温まる


すっかり夜が明けたので、意を決してツエルトの外に出てみる。残念ながらガスっていて展望はほとんどない。ご来光も雲海も夢と終わり、ただひたすら寒いだけである。
しばらくジタバタしているとガスの切れ間からうっすらと中禅寺湖が・・・。
「おお!見えたぞ!」皆一斉にカメラを構える。その後はまたガスったり見えたりを繰り返しながらだんだんと展望が開け、やがて眼下に中禅寺湖、周囲には美しい山々がはっきりと見えるようになった。
おまちゃんが、今日は寒さのためにトモゾウ化(極度に疲れるとチビまる子のおじいちゃんそっくりになる現象)している・・・そろそろ下山しよう。



景色に見入る一行 あまりの寒さにおまちゃん(左)がトモゾウ化している


日光白根山 この冬の雪山の目標だ


さぶ〜い感じが写真から伝わるかな?


「おおこれは絶景じゃ!」  誰が置いたかミニ地蔵


二荒山神社奥宮と社務所  しゃむしょう(寒そう)・・・


中禅寺湖をバックに記念撮影


さあトットと下りて温泉に行こう!


来た道を下っていくと、眼前に大真名子山、小真名子山、帝釈山、女峰山、赤薙山と続く日光連山が堂々とした姿を現す。
「いいか〜!あれがオオマナコ、後ろにちらっと見えるのがコマナコ、そしてチマナコ・・・」
私のホットなギャグに、皆心も体も温まったようである。



左手前が大真名子、後ろに小真名子、右に向かって帝釈、女峰、赤薙山


志津小屋に到着  ここまでくれば車止めは近い


普通に朝出発したハイカー達が続々と登ってくる。一様に驚いた様子で、「もう登ってきたの?スゴイね〜!」そりゃそうだ、夜登ったんだもん・・・。
貸切だった車止めや道端は、数十台もの車でごった返していた。やっぱ百名山だね〜。



「味の大塩」で唐揚げを仕込み、奥方の手料理で大宴会


本日のカモシカ山行 無事終了


巨漢、庄司くんもコンパクトになって終了


翌日、栃木名物「レモン牛乳」をオトナ買い・・・


温泉で温まったあとは石川ちゃんのお宅にお邪魔して昼から大宴会。夜中の2時から山に登り、下山してそのまま夜中の2時まで酒を呑む。これぞまさしくカモシカ山行!?
日帰りの予定が結局全員酔いつぶれ泊まってしまったとさ。

めでたしめでたし・・・