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報告 高橋信博
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さらば女だらけの砂川、いや、砂だらけの女川・・・
2006年発行の「新・源流紀行」に書かせていただいた釣行記の結びの一文である。 おそらく前年7月の新潟水害による被害を受けたであろう女川上流部は、以前遡行した時と比べ大淵は半分砂に埋まり、川底の石の間には隙間無く砂が入り込んでいて、川虫の生息さえ危ぶまれるように思えた。 牛股沢と白沢の二股には砂山が露出し、ほとんどビーチ化していた。 この過酷な環境に逞しく生きるイワナ達に感動を覚えつつも、しばらく女川には入るまい、と当時はそう思ったものだった。
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今回はハイキング部として雪山登山(宴会)の予定であった。しかしこの冬の小雪のためか、目的の山にすでに雪がないことが判明、急きょ中止とした。
「せっかくだから釣りに行くか〜?」「そうですね!」ということで佐藤とそれぞれ行き先を物色し始める・・・と、、まさにその時、携帯のメール着信音が!
メールの主はG流S師団所属、お笑いのU字K事似でありRバートのBBちゃん似、Iまいち駅近の「味のO塩」でOネーチャン連れでKら揚げ定食を食べていたS君であった。 G.WにO川のG郎S郎沢に行ってIワナ釣りをTのしんできたそうな。
う〜ん女川かぁ(イニシャルトーク終了)・・・出合の二股どうなったかなぁ。確か佐藤が蕨峠から行ってたよな〜、と早速佐藤に電話。
「佐藤〜、蕨峠越えってツライ?」
「ぜーんぜん楽勝ですよ!ちょいちょいと登ってあとは下るだけですから。白沢のテン場は最高ですよ!」
「ああ何だ、楽勝なの?じゃあ山菜も良さそうだし行ってみるか!釣り人もまだそんなに入ってないだろうし。」
この「楽勝!」という佐藤の言葉に気が緩みっぱなしのまま当日を迎えることになる・・・。
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「佐藤〜、車止めまだ〜?」雪のため林道終点の広場まで車が入れず予定外の雪上歩きである。やっと着いたと思ったら、「あ・・・。」そこはまだ一面に広がる雪原であり、踏み跡さえ雪の下であった。地図とコンパスを取り出し、佐藤の記憶と照らし合わせながら方角を決定し鞍部を目指す。見事なルートファインディングで偶然にも(ん?)雪消え地点の踏み跡にドンピシャ!
ホッとしたのもつかの間、今度は今にも雪崩そうな箇所が現れ、これを慎重に通過。ようやく稜線に出た時には出発から軽く2時間が経っていた。
「さ〜と〜お〜、これじゃフツーに山越えだよ〜、楽勝じゃねぇよ〜。」
よくよく考えてみればこの時期残雪は当たり前なんだけどね・・・。
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想定外?の雪道歩き 「切り付け」がアチコチにある
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ようやく女川に下り立ち、竿を出しながら進むことにする。水は身を切るように冷たく水量も多い。魚の気配は全くなし。 やがてヘツリ、胸までの渡渉と竿を仕舞う場面も多くなり、白沢のテン場に荷を下ろしてから釣ることにして先を急ぐ。
牛股沢に入ってみるが、すでに雪シロが出始めいくらか濁り気味である。ゴルジュを越えて佐藤のエサ釣りに期待するが、1匹釣ってあとが続かない。 1泊のため見切りをつけて白沢へ。白沢の名の如く牛股沢以上に濁りが強く、テンカラ1本の私はすでにやる気ゼロ。
「下流の沢でも釣ってくれば〜?オレは昼寝するわ。」というと佐藤は「行ってきます!」と下流に消えていった。
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とりあえず竿を出してみるが・・・
水が冷て〜っ!
牛股沢と白沢の出合
佐藤が釣ったイワナ
牛股沢のゴルジュ
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ふと気配を感じ目を覚ますとズブ濡れの佐藤がいる。「いや〜っごわがっだぁぁぁ!何度か流されそうになりましたよ〜。」
本流を下るそばからどんどん水量が増して、こりゃヤバいと釣りもせずに白濁した流れを命からがら遡ってきたらしい。テン場前の流れはなるほどエライコッチャになっていた。 |
「そっか〜、結局ほとんど釣りできなかったな。ま、呑もうぜ!」
酒と肉はタップリある。そして採りたてのウド、ウルイ、極太のアブラコゴミ・・・今年初の渓宴会を楽しんだ。
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極太のアブラコゴミ
ウルイもゲット! 豚味噌を切る
ウルイを茹でる まあまあまあ・・・
カンパ〜イ! 山菜豚汁
おひたし2品 美味! 豚キム豚キム〜!
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朝、雪シロが出る前に佐藤が釣りに出かけたが、イワナはどれも痩せていた。
今回、釣りにはまだタイミングが早すぎたようだ。久しぶりの女川は相変わらず砂だらけで痛々しく、おそらく中流部の大淵も復活してないような気がする。
不謹慎だかもう1度災害レベルの出水でもない限り、元の流れは完全復活しないのではないだろうか。
そんなことを考えながらも、蕨峠への登り返しで「お?何だか息切れしないぞ!」と禁煙の効果を実感している【山越え宴会部】の2人であった。
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朝釣ったイワナ
やさしくリリース
♪オレたちゃ山越え宴会部〜♪(ちがうか〜っ!) |
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