報告 佐藤 恵亮




日光白根登頂、涙の断念から1ヶ月。2月27日から2日間でのリベンジが決まった。しかし、各隊員の期待をよそに当日の天気が日々悪い方へと変化していき・・・延期。
そして、次に計画した3月20日からの3連休前半には突風、強雨、落雷、山では猛吹雪になるとの予報になってしまった。いったい誰が雨男なのか・・・。翌週の土日には天気が回復するとのことでそちらに延期となったが、私には予定がありついにリベンジできないことが決まった。
しょんぼりしているところへ隊長から「最終日の月曜日だけは天気良さそうだからどこか近場に行こうか?」とのやさしい一言。そしてこの大菩薩嶺行きとなった。
大菩薩嶺は、展望のよい日帰り雪山歩きの入門コースとして各種山岳雑誌に度々紹介されている。今回は正月以来山歩きをしていない鈍った体のトレーニングとアイゼン歩行の練習が主なテーマだ。
私たちが普段利用することの少ない中央自動車道を勝沼でおり、大菩薩ラインを奥多摩方面へしばらく走る。登山口を少し入ると丸川峠分岐となり、車道は先まで続くがこの時期の車の進入はここまで。ゲート手前がきれいに整備された駐車場になっている。ここが今回のコースの出発点であり終着点でもあるのだ。
6:40 準備を整え出発。日帰りのため荷物は少なく、足取りも軽い。冷たい空気が頬に当たり心地よい。千石茶屋からは車道を離れ、登山道となる。途中の展望台からは甲府の町とそのずっと向こうには南アルプスの山々がずらりと並ぶ。
ちょうど1時間30分で再び車道と出合い、そこがロッジ長兵衛だ。小休止した後、めちゃくちゃ長く発達した霜柱を踏み、歩き始める。
福ちゃん荘を過ぎるとすぐ唐松尾根分岐、富士見山荘が現れる。「富士見って言うからには・・・。」「おおっ!すっげー。」富士見平の富士と書かれた看板とともに展望台が。そしてその先には雪を被った美しい姿の富士山がデーンと鎮座しているではありませんか。
しばし写真撮影するも、なかなかうまく撮れない。


裂石登山口を出発  4月からは上日川峠まで車で入れる


千石茶屋


第1展望台からみた南アルプス


ようやく上日川峠に着いた


福ちゃん荘


富士見山荘から見た富士山

登山道が日陰の樹林帯に入ると、僅かな雪が残るがアイゼンを出すほどのこともなく、9:38あっさりと大菩薩峠(1,897m)に到着。よく写真で見る看板と、風景(残念ながら雪はまったく無かった)が目の前にあった。
それにしても最高の天気、真っ青な空だ。荷物を放り出し、休憩をとる。遮るものはなく、先ほどの南アルプスが完璧に見える。あれが甲斐駒ケ岳、北岳、赤石岳、聖岳・・・。「行って見たいぁ」とボソッと呟く私がいた。そして、もちろん富士山もきれいに見えている。
セルフタイマーで記念撮影をし、出発。展望を楽しみながら、親不知ノ頭や賽ノ河原を過ぎ雷岩へ。そこからは少々樹林帯に入り、10:50展望のない大菩薩嶺(2,057m)に到着。
反対側から先に到着していた若者3人組に、「この先アイゼンがあったほうが安心ですよ!」と声をかけていただき、ヨシ!キタキタ!と12本爪アイゼンを装着。目的にもなっているアイゼン装着での歩行練習開始である。ガリガリになった所ではしっかりと全部の爪を接地させるよう心がけ、木の根や岩、服に引っ掛けないよう周囲への配慮も怠らない。
1時間ちょっとという短い時間ではあったが、基本を考えながら実践できたのでよい勉強になった。


あと少し!


大菩薩峠で菩薩ポーズ!?


親不知ノ頭(おやしらずのあたま)


賽ノ河原(さいのかわら)にある避難小屋


神部岩(じんぶいわ)


神部岩から見た富士山と大菩薩湖


大菩薩嶺は樹林帯で展望なし

 
初アイゼン試し履き

12:17丸川荘着。アイゼンを外し、しばらく松林の中を気持ちよく歩く。少し広くなったところで昼食&あったかいコーヒー。14:30を過ぎたころに、朝車を置いた駐車場に到着となった。
日帰りとしては、ゆっくり歩ける手ごろなコースで、しかも展望が最高!気持ちのよい一日でした。


前半は凍結、後半は雪と泥でグチャグチャでした


丸川峠にある営業小屋「丸川荘」