報告 高橋 信博




1月の日光白根初挑戦では、正月明けから降り続いた大雪のため、残念ながら山頂を踏むことが出来なかった。平坦地で膝から太腿、斜面では腰、多いところでは胸までのラッセル。新雪は掻いたそばからサラサラと崩れて埋まり、一向にペースが上がらない。
真っ白に染まった木々は目印となる赤テープも覆い隠してしまい、判断を迷わせた。
なんと七色平まで3時間、コースタイムの3倍もかかってしまった。疲労はさほどなかったが、山頂は時間的に無理と判断、付近にテントを張り、荷を下ろしたのであった。
「明日の為に少しでも先にトレース延ばしておこう!」と言ったような言わなかったような・・・はて?テントの中でチビチビ呑ってる自分に気付く。ああ、やっちまった!けんちゃんが誘うから・・・まぁだ昼の2時半だよ、どーすんのこんな時間から呑んじゃって。
「まっ、いいか〜。」であっさり登山は中止。あったか〜いテントの中で、すっかりいつものダメダメな渓美隊に戻ったのでありました。
そして3月27日。悪天候による2度の中止を乗り越え、ついに日光白根山リベンジの時が来たのだ。残念なことに伊藤ちゃんと佐藤は仕事で不参加。しかし今回は心強い味方、石川ちゃんが参加してくれることになった。そして雪山登山初体験のまにちゃんは石川ちゃんから装備一式を借りての参戦である。
合言葉は「今度こそ山の武器使っちゃうからよぉぉぉぉ!」
ロープウェイを降りると真正面にドドーンと日光白根山の勇姿!前回は姿さえ拝めなかったのだから感動だ。パッキングを見直して早速出発!
前回はいきなりラッセルから始まったが、今回は雪が締まっていてワカン不要、トレースもはっきり付いている。なんと45分で七色平分岐に到着してしまった。
だがトレースはここまで、道を切り開きながらの登りとなる。しばらく登った樹林帯にテントを張り、今宵の宴会場(これが何より大事)は完璧。サブザックにピッケル、アイゼンを持って山頂に向け再び出発。途中分岐があり、赤テープは右に向かうがトレースは直進している。テント設営中に先行した2人組はこちらの直登?コースを行ったようだ。
協議の結果、人の歩いたあとでは面白くないね、と右に曲がって再びラッセルを始めるドMな渓美隊であった。この選択が良かったのか悪かったのか、トラバースに思ったより時間がかかり、ちょっとうんざりしたのであった。途中、凍結箇所があり、石川ちゃんの指示でアイゼンを装着する。落ちたらヤバいな〜的な急斜面は1歩1歩ピッケルを突き刺しながら慎重にトラバース。最後は一気に森林限界を抜け出した。晴れた空に山頂付近がハッキリと見渡せる。いよいよ山頂アタックだ!
だが、そこからが冬山の洗礼であった。今までに経験したことのない様な突風が我々を襲ったのだ。


雪に埋まった二荒山神社  前回より雪は多い


七色平分岐へ向かう  奥に白根山の頭が見える



今宵の宴会場&寝床を設営


山頂を目指して出発!


ラッセルしながらのトラバースは結構疲れます


ようやく森林限界を抜け出す  振り返れば絶景!


天気もよくて最高!  笑顔のまにちゃん

独立峰である日光白根山は風が強いとガイドブックには書いてあったが、まさかこれ程とは思わなかった。サングラスの隙間からも容赦なく寒風が吹き込み、顔が凍りつきそうだ。
凍傷になったらとうしようもない。サブザックを下ろし飛ばされないようにピッケルで固定し、目出帽を取り出す。出した目出帽を口にくわえてサブザックを背負って・・・ええ〜い、風でバタついて目出帽が被れまっしぇ〜ん!
「ああ、前もって首にセットしとくんだった〜!」と、まさに後悔先に立たず。
こうやって人は身をもって学習していくのだな〜。目出帽を被った瞬間のあの幸福感、と同時に曇るグラサン、流れる鼻水・・・これが雪山なんだね〜。
クラストした雪とアイスバーンの混じる斜面を登り、稜線を左に行くと祠のある南峰。そこから窪地に降りて登り返したところが山頂だ。
石川ちゃんに「最後、行っちゃってくださ〜い!」と先を譲っていただき、ガリンガリンに凍った岩場を慎重に登る。・・・やった!ついに山頂だ!
思わずみんなと握手。見渡せば360度の大展望!秋に登った男体山、中禅寺湖も見える。日光白根山ついにリベンジ成る!雪山最高〜!


パネ〜風が吹いてます  写真じゃわかりませんが


風の当たらない窪地で一休み


祠のある南峰に到着 もうすぐだ!


ガリンガリンの岩場を登る


奥白根山リベンジ成功!


ついにやりました〜!


男体山、中禅寺湖がすぐ近くに見える

さあ、テン場に戻って宴会だ。山頂付近の危険な岩場を慎重に下る。岩場が終わって気が抜けたのか、ここで私がポカミス。
何気なくフラットフィッティングを怠った瞬間に左足がスリップ、3メートル程の氷の滑り台をピュ〜ッと滑って見事着地成功!ねどと言っている場合ではない。危険地帯だったら大変なことになっていた。安全圏までは一歩たりとも気を抜けない雪山の怖さを実感したのであった。
日光白根山はこの冬のひとつの目標だった。来年は今年成らなかった女峰山縦走をぜひ成功させたい。少しづつ経験を積んで、そのうち八ヶ岳、そして北アルプスってか〜っ!?・・・などと話しはどんどん盛り上がり、酒もゴイゴイ進むのであった。


テントに戻っていつもの乾杯!


むむむ、これは禁断の・・・


けんちゃん持参のマッコリ  大好評でした


今回の鍋奉行は高橋 「高級牛もつ鍋」


けんちゃん作 「プルコギ」


石川ちゃんの 「スモークサーモン」


今回も楽しかったですな〜♪


朝食は具沢山のラーメン  お好みで「食べるラー油」をトッピングして


撤収前  なぜかキャイーンポーズ


あっという間に山頂駅に到着


帰りにもらった石川ちゃんの栃木土産  これはウケました