報告 高橋 信博




金曜の夜、1泊の予定で八ヶ岳に向かう。
車止めで目を覚ますと本降りの雨だった。この雨で八ヶ岳でテント泊する気にはなれない。
朝っぱらから転戦先を求めて長いドライブとなる。あちこち彷徨った結果、今日はテントでまったり過ごし、日曜日に金峰山に登ることに決定。明日は晴れそうだ。スーパーでつまみを買い足し、ダラダラと呑みながら過ごす。


刺身で一杯! 外は雪混じりの冷たい雨

翌朝歩き始めると何だか調子が悪い。完全に呑み過ぎだ。おまけに何だか右足の付け根の筋が痛み出した。二日酔いのだるさから準備運動を怠ったことを後悔する。もう若くはないんだから・・・。
長い林道歩きが終わるとジグザグの登山道となる。この辺りから新雪が結構積もっていたが、先行者がトレースを付けてくれていたので正直助かった。
樹林の切れ目から八ヶ岳、瑞牆山が姿を現す。天気がよいので最高の眺めだ。


林道歩きが結構長い


八ヶ岳


瑞牆山

足の付け根がかなり痛み、思わず佐藤に「1人で行ってくれ!」と言いそうになる。
だがこんなピーカンの雪山を独り占めにされるのはちょっと悔しい。それにアイツはかつて、肋骨にヒビが入って3日後のオレに「大丈夫ですよ!さっ、行きましょ!」と平然と言ってのけた男だ。あの時はちょっとした段差で「ううっ!」とうずくまり、痛みで深呼吸もできない状態だったっけ。この程度の痛みで音を上げる訳にはいかない。
森林限界に出ると金峰山小屋だ。ここまでのトレースはここの管理人さん達が付けたもので、ちょうどヘリコプターによる荷揚げの真っ最中だった。次の便が来るのを待って見学させてもらう。


金峰山小屋に到着


ヘリによる荷揚げ 初めて見た!


今日は8往復するそうだ
 いくら掛かるんだろ?

さて、いよいよ山頂を目指す。ここからはトレースなし。佐藤がトップを行くが、いきなり腰近くまでズボッと潜る。だが高度を上げるに従い雪は固くなり、ツボ足ではヤバくなってきた。ピッケルで足場を作りアイゼンを装着する。そこからはアイゼンが効いていたと思ったら突然ズボッと太腿まで潜ったり、いきなりカリカリになって前爪を使わなくては登れなくなったりと、足の痛みも忘れるような楽しい登りだった。
山頂に到着し、自分達だけのトレースを見下ろす。
ああ、なんて贅沢なんだ。気分も景色もサイコーだ!


誰も歩いていない山頂までの道程 自分達だけの足跡を付ける


金峰山(2,599m)山頂


雪山とは思えないポカポカ陽気 バックは富士山


巨大な五丈岩 誰かが積み上げたようにも見える


金峰山小屋(中央)まで自分達の足跡を辿って下る