報告 青柳


5月末に連れて行っていただいた初めてのイワナ釣りで2尾釣って(釣れちゃって)興奮の収まらない私と、ボウズで悔しさが収まらない坂本さんは、会社に行くたびに「もう1回連れて行ってください!」と会社の上司でもある高橋隊長にしつこくお願いしていた。

6月末に資格試験が控えていた私は「ちゃんと試験勉強しないと連れて行ってやらないぞ。」といつも子供に言っているようなことを高橋隊長から言われながらも連れて行ってもらえることに。さらには「せっかくだから、自分で毛鉤巻いてみよう、自分で巻いた毛鉤で釣ったら最高だよ(高橋隊長)。」ということで、テンカラの毛鉤作りの道具と材料の入ったセットを2人して購入。高橋隊長からハックルを、馬庭先輩(会社の上司でもある)から見本の毛鉤をいただき、資格試験も無事?終えていざ毛鉤作り!ところがそこへ1通のクレジットカードの請求書が。

そこには前回の釣行の時に買いまくったリュック・寝袋・マット・沢靴・チェーンアイゼン・・・等の驚きの金額が。現金で買っていた釣り竿等の釣り道具も合わせるとかなりの額に(毎月のこずかい3か月分)。妻の怒りが爆発!とても毛鉤タイイングセットを買ったとは言い出せず1週間が過ぎた。途方に暮れていた時、そこに救世主が!臨時ボーナス降臨!この臨時ボーナスは振り込みではなく現ナマだ。「言わなきゃバレないから自分のポッケに入れちゃいなよ。」と会社の同僚(馬庭さんではない)。「絶対バレないから大丈夫だよ、みんなそうしてるよ。」(決して馬庭さんではない)周りで悪魔が大合唱しているが、妻は悪魔より怖いので封を開けず悪魔に・・・いやいや妻に献上。すると機嫌はV字回復。念には念を入れてタイイングセットは馬庭さんから貰ったことにして毛鉤作りスタート。自分で言うのもなんだが意外といい感じの毛鉤が完成。

 そして出発当日、坂本さんから悲報が。前回ボウズの悔しさから釣竿やらストックやら買いあさった坂本さんが残念ながら熱が出て行けなくなったとの報告が。結果、高橋隊長、佐藤さん、の先生2人と生徒の私の3人で出発。日付の変わったころに現地に到着、すでに車が78台、かなり人気の場所らしい。とりあえず車内で宴会スタート。「実は肋骨にヒビ入ってて、毎朝痛くて目が覚めちゃうんだよ。」と高橋隊長カミングアウト、さらには「坂本っちゃんも来ればよかったのに、来れば病気なんて治っちゃうんだよ。ケガと病気は山で治すんだよ。自然の中にいると人間の自然治癒力が・・・・」と驚きの発言。私のペースを考慮して230スタート。話に聞いていた通り最初の登りがかなりきつかったが、そこをクリアしその勢いで沢に降りる所まで到着した。「ここを降りるよ。」と言われたがどこが降りられるのか分からない、普通の登山では考えられない急斜面だ。チェーンアイゼンを装着し佐藤さん、私、高橋隊長の順にスタート、「落石させないように気を付けて、落石したら『ラクッ!』って叫ぶんだよ。」と高橋隊長に言われた5秒後いきなり「ラ〜ク!」。足元のおぼつかない私はビビりながらも先生2人に教えられ木の枝や草をつかみながらようやく沢に出た。この沢を少し上がればテン場だ。荷物を降ろし釣りの準備。

いよいよイワナ釣りスタート、さっそく自分で作った毛鉤をセットし竿を振る。毛鉤はきれいに飛んでいく・・・はずもなく足元に。「ユーチューブを思い出せ!」と自分に言い聞かせながらまずはキャストの練習。それから2人の先生方に「あの岩のところ狙ってみな。」と教えてもらいながら釣り上がっていると、とうとうその時はやってきました。「釣れました。いや釣れちゃいました!」自作毛鉤で人生初の1尾目が釣れちゃいました。そしてここからワールドカップロシア大会のサムライジャパンも顔負けの伝説がスタートしました。勢いに乗った私は23尾と釣れ、4尾目あたりからは「なんだかアタリもわかってきたような気がします!」と言いながらもちゃんとアワセて釣れたイワナのないまま56尾目をゲット。もうかなり十分な数ではあるが「釣れちゃった」から「釣った」に卒業したい私。1か所滝を高巻きした後も、78尾と釣れちゃったを繰り返す。高橋隊長の後ろから必死で高橋隊長のラインを見つめ勉強させてもらう。

「今のアタリ分かった?」と高橋隊長、「全然わかりません。」と私。最後までこんな調子で気が付けば釣れちゃったイワナ10尾、釣ったイワナ0尾。「最初はなかなかアタリは分からないよ。」2人に慰められるも最後は「青ちゃんは釣り師じゃなくて釣れ師だな。」高橋隊長から命名され、イワナ釣り2回目にして10尾釣れちゃった私はめでたく「釣れ師」を拝命。

夢のような時間は終わりました。ここまで先生2人の釣りの事に全く触れていないことにお気づきでしょうか。そうです、私は自分の事だけでかなり舞い上がり自分以外の事は全く記憶にございません。お2人いつも通りたくさん釣っていました。の一言しか出てきません、すいません・・・


青ちゃん、2回目の釣りは・・・


釣れちゃうんだなぁ、これが(笑)


ラインも綺麗に伸びてんだよね  アタリとれないけど・・・


先生達も釣ってますよ〜!






ヘラブナ釣りのおじさんか?


10匹も釣れちゃったから疲れちゃったみたいね(笑)

あとはテン場でイワナ寿司を食べれば今回の目標はすべてクリアです。足取りも軽くルンルン気分でテン場に到着するはずでしたが、途中で沢の下流にクマがいるのを佐藤さんが発見、私は想像はしていたが実際にクマがいることにかなりビビりながら沢を下り、沢から登山道に上ったところですでにバテバテになっていました。登山道を先生方の後ろについて一生懸命歩くのですが、早歩きでも離される一方。小走りで追いつくも歩くと又離されるを繰り返し必死でついていきます。「アバラ折れてる54歳速い速い!」と離されるたびに心の中でつぶやき、何十回とつぶやいた末やっと沢への降口に到着、朝下った場所と同じ場所だ。今度は落石させないようにとゆっくり降りた。荷物が軽くてもかなりしんどい、明日の帰りは荷物を背負ってここを登って帰れるのだろうかと心配しながらも無事沢へ降り、そのままテン場に到着した。タープを張り、軽く仮眠をとってから宴会の準備開始。そして宴会スタート「カンパーイ!」いつもお酒を全く飲まない私だがそんなの関係ない、もう最高!! 最初のおつまみは高橋隊長の「ホルモンうどん」これが絶品!うまい!そのあとイワナの刺身、イワナの刺身中華風、に続き私のごぼうのから揚げ、佐藤さんのホイコーロー、そして「イワナの昆布〆」これがまたまたうまい!もう十分満足、あとは寝るだけ。いや最後の目的「イワナ寿司」がまだ残っていました。眠い、腰が痛い、眠い、腰が痛いとダウン寸前でしたが、イワナ寿司を食べずして眠ってはならないと気力を振り絞り、何度か落ちかけるもどうにかイワナ寿司(海苔巻き)にありつき、食べた後は力尽き1人だけ先に就寝、朝まで爆睡。

 朝目が覚めるとすでに先生方はモーニングコーヒー。この人たちはいつ寝たんだ?朝食を済ませ帰りの準備、荷物を詰め終わると高橋隊長が「青ちゃん、思い出はたくさん持ったか?」
「ハイ!10匹釣れちゃったし、イワナ寿司も食べられたので満足です!」と私。この時は思い出がもう1つあるとは思ってもいませんでした。軽い足取りで沢を下り、登山道へつながる急斜面を登り始めた。昨日の不安は見事的中した。這いつくばるように地面に手をついたり、草や枝につかまりながら登っていくが、足を滑らせたり、重い荷物で後ろに倒れそうになったりとなかなか進まず悪戦苦闘。登り切った時にはもうヘロヘロ。少し休憩を取り下山開始。やはり先生方は速い速い、頑張っていないとすぐ引き離されてしまう。以前は2人して走って下っていたというから信じられない。空荷ならまだ想像できるかもしれないが、156キロを背負っていたら転ばないように歩くので精いっぱいだ。前回よりもかなり疲れて車に到着した。

「たくさんの思い出をありがとう。」と山を後にした。


青ちゃん、疲労コンパイでカンパイ!


ホルモンうどん  味付けは焼肉のタレがgood!


青ちゃん何やら料理中


ゴボウの唐揚げ  これは旨かった!




カツ!


イワナの昆布〆を藻塩でいただく


青ちゃんリクエストの「イワキュー巻き」


ちょっと爆ぜちゃったね  酔っ払いにつきご勘弁・・・


ソーラーパフの灯りがいい感じ


さあ帰ろう! 思い出いっぱいザックに詰めて・・・

単発で入った山岳保険を使うこともなく無事家に着き大満足の2日間。先生方どうもありがとうございましたと感謝しつつ荷物を片付けていると、リュックの中に「石?」握りこぶし4つ分くらいありそうな石が荷物に紛れて入っている。先生2人のニヤニヤした不気味な笑顔が脳裏をかすめ、それを見ていた妻は横で爆笑、「やられた!これが思い出(重いで)か~。」行きよりも帰りの方が荷物が重くなっていた。記念に玄関に置こうと思ったら妻から「絶対にダメ、どこかに捨ててきて」と言われ未だに車の中に。あらためて、高橋隊長、佐藤さん思い出ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。次回は釣ります!


帰宅したらザックの中から思い出サプライズ!


思い出の重さ1.8kg!